鍼灸治療について
西洋医学と東洋医学は、“人間の身体を良くしていく”という考えは同じです。
東洋医学の病気のとらえ方
西洋医学と東洋医学は、“人間の身体を良くしていく”という考えは同じです。
大きな違いは、病気になった原因、病気になった人間の見方(局所的・全身的)、治療方針の立て方などです。
東洋医学では、人間の身体を気(き)・血(けつ)・水(すい)が流れていることにより生命活動が維持され、これらの流れが滞ることで病気になると考えます。そして、局所の症状であっても、全身を診て、治療も全身的に行います。“全身が元気でないと、局所を治すことはできない”という考え方です。例えば、東日本大震災で東北地方が大きな被害を受けましたね。東北地方の復興を助ける・支えるためには、日本全体の力(経済力や人の力など)がなければできませんよね。このことと同じです。東洋医学は、西洋医学ほどスピード感はありませんが、その人が持つ「自然治癒力」を大切に考え、活かしゆっくり治していく、または個々が生活するのに支障がない状態に整える、さらに個々のベストな状態を維持する、身体に優しい治療法です。
つぼとは
つぼは専門的には「経穴(けいけつ)」といい、長い歴史の中で治療家達が経験的に見つけた、体表上にある点です。代表的なつぼは全身に360以上あります。身体に異常(気・血・水の滞り)が起きた時の「反応点(症状が現れる点)」であり、その異常を改善するための「治療点」でもあります。
また、つぼはルールに従って並んでおり、14のルートがあります。これを「経絡(けいらく)」といいます。経絡とつぼは、鉄道の線路と駅のような関係です。例えば、歯痛がある時、手首や足にあるつぼを押すと痛みが軽くなりますが、これは、押したつぼが経絡上にあるからなのです。
はり灸治療
つぼを使った治療には、人間本来の持っている「自然治癒力」を活かし、弱っている部分を回復させる効果があります。その代表的な治療法が鍼灸です。
はりやお灸でつぼを刺激することで、気・血・水の流れを整え「自然治癒力」を高め、その人の身体が治すことができるのです。
また、病気や症状を改善するだけではなく、継続することで体質を改善し、病気にかかりにくい身体にすることもできます。これが今注目されている「予防医学」ですね。現在は医学先進国で「代替医療(西洋医学を助ける医療)」としても活用されています。
- 鎮痛作用
- 血行改善・促進作用
- 自律神経・ホルモン調整作用
- 免疫力向上作用
- リラクゼーション作用